血管性認知症
脳梗塞や脳出血など脳血管障害が原因で生じる認知症のことです。脳血管障害を起こすと麻痺、しびれ、失語やめまいなどが出現することが多いですが、このような身体症状が見られない脳梗塞もあります。そのような「隠れ脳梗塞」においては、身体症状がなく、もの忘れなどの認知症の症状のみが認められる場合があり注意が必要です。
症状は様々ですが、もの忘れ以外に特徴的なものは、感情の波が激しくなったり、突然泣いたりする感情失禁やうつ症状などがあります。
また、アルツハイマー型認知症のように徐々に進行するのではなく、急に発症し血管が詰まるたびに段階的に進行します。
画像検査の結果と症状との間に関係が認められる場合に、血管性認知症と診断されます。
治療
動脈硬化を予防、治療していくことが中心となります。すなわち、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の治療が脳血管性認知症の治療であり、予防につながります。
また、血管の詰まりを予防するために、抗凝固薬などの血液をサラサラにする薬を必要に応じて使います。さらに、脳血流や脳代謝を改善させる薬を用いることがあります。